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鼠の目#461(ほぼ全文はリンクで)

鼠の目・これまでの梗概

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岩陰のシェルターでは、川崎姉妹と文龍名が固まったようにじっと床机に腰掛けていた。

「どうなっているかしら」

「これまではわれわれのライフルしか音がしませんな」

「ということは?」

「ガサに入った警察部隊は、ほぼ殲滅できたと考えるのが妥当でしょう。彼らの銃声が聞こえないのですからな」

「でもヘリの音が聞こえるわ」

「警察の応援部隊でしょう。それは織り込み済みです」

「織り込み済み?」

「ええ。組織力、火力、動員力、どれをとってもわれわれに勝ち目はない。彼ら警察は、われわれ波動を軽く見ていた。何十人かの制服警官と短銃があれば制圧できる、とね。われわれはその油断のスキをついた。痛烈、かつ徹底的な一撃でね。泡を食っているでしょう、彼らも。当然、すべての機械力を動員することになる。ヘリも一機ではないでしょう。近隣警察からも動員をはかるはずだ。なにしろチンタラ登山道を登るなんて、悠長なことはできませんからな」

「警察の反撃が始まるのね」

「いかにも」

「今度ばかりは、大人と子供の喧嘩になってしまう…」

「仕方ありませんな。力量の差、ですから」

「そしてそのことが波動の死を招来する…」

「ええ。それも徹底的な、ね。第一、一人たりとも生き延びてはいけない。ここで、われわれは宇宙の摂理とともに滅びるのです」

わかってるわ、という表情で川崎姉妹が頷いた。

「滅びの祝祭が始まるわ」

川崎真理子が立ち上がった。

「祝祭は血の荘厳が必要なの」

三人の目の光がある種の破綻を思わせていた。



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