不眠症の眠れない夜

元アル中、初老の繰り言、戯れ言か、と。

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鼠の目#370(ほぼ全文はリンクで)

鼠の目・これまでの梗概

<主な登場人物>

オレ=初老のフリーランス便利屋、通称、鼠。説教多し
オカマのマリー=オカマバーの女将、陸上自衛隊OB
ケンスケ=オレの助っ人、仏外人部隊脱走兵
山下=定年前の所轄の刑事
和田由美子=事務所の雑用を請け負ってくれている素敵な女性
和田洋子=和田さんの一人娘
川崎真知子=オレの依頼人。川崎徳一の孫
川崎真理子=真知子の妹
徳永高男=波動研究会の会長、川崎徳一の嫡外子
文龍名=カルト教団・統合真理教会のボス、波動の最高幹部も兼ねる
後藤=徳永の部下、事務方、対外折衝部門の長
宮崎一平=和田洋子のサークル仲間。波動研究会の末端メンバー
長田=波動のメンバー、徳永の非公然活動を担う
滝川順平=靴屋の隠居、川崎徳一の戦友
川崎徳一=本名・李光徳、川崎姉妹の祖父
川崎良子=川崎徳一の夫人。川崎聖一の母。古朝鮮の祭祀一族の末裔
川崎聖一=川崎徳一の息子であり、川崎姉妹の父。徳一の死後、失踪
川崎篤子=川崎聖一の妻。川崎姉妹の母。廃宮家の末裔
上島上等兵=滝川、川崎の終戦時の上官。こすからい古参下士官

ハート


笑われるかもしれんが、オレの心臓はバクバクだった。

女と寝たことは人並みにある。

ただそれは行きずりのなりゆきばかりだ。

後腐れなんかなんにもない。

アイコンタクトというか、阿吽の呼吸でそのまま同衾、ってことばかりだった。

酒精に加速された淫夢のリアライズといったところだろう。

ところが今回は、惚れている、と自覚する女と交わろうというのだ。

そんなこと、もう記憶そのものが曖昧模糊としている。

いったいいつのことだったやら…。

ずっとずっと昔だった。

オレがまだウブなクソガキだった頃だ。

青年独特の自意識過剰と性欲過剰で、オレの頭と下半身はてんで統合が取れていなかった。

男の誰もが通過するように、自慰行為に罪悪感を感じ、そのくせ性の妄想で頭は常に沸騰していた。

ああ、こいつは女性にゃ理解できないかもしれんな。

なんといったらいいかな、あー、つまり自慰は男には必須科目なんだが、女には選択科目だ、というくらいに理解してくれ。

まあ、青年は常に壮大な勘違いと鬱懐にある、ということだ。

オレも煮えたぎるような年代にあった。

女と見れば、性とリンクしてしか考えられなかった。

しかしそこで出会ったのが、Sという女だった。

オレは完全にいかれてしまった。

この女のためなら、なんでもする、と錯乱した。

恥ずかしい言葉だが、恋、ということなんだろう。

オレは世に愛が存在することに、そのSという女の存在に狂喜していた。

ウブだったんだよ。

オレもね。

どうなったか、というとだな…。

要するに手酷くオレは弄ばれたんだよ。

そりゃ荒れたさ。

恥ずかしながら、泣いたぜ。

ヤケ酒も浴びるように飲んだ。

でもな、女に振られて泣くなんざ、今から考えりゃ、幼稚極まりない。

それ以来、オレは女を好きになろうなんて、ハナから思いついたことがない。

要するに女は裏切るようにできている、と思うことにしていた。

そう覚悟さえしておけば、どんな女に対してもフフン、と笑っていられる。

恬然としていられる。



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