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鼠の目#469(ほぼ全文はリンクで)

鼠の目・これまでの梗概

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「長田。オマエがオレを殺すのはいい。しかしな、オマエはマリーと山下まで殺した。オマエは単なる殺人嗜好者だ。オマエを殺すのは和田由美子しかいないと思っていたが、撤回する。オレがオマエを殺すんだ」

ケンスケは削いだような尖った表情でいい放った。

グヘヘヘヘヘ、とくぐもった笑い声を上げたかと思うと、長田はピュッとケンスケに唾を吐きかけた。

きつい腐敗臭に血液が混じっていた。

ケンスケの反応は素早かった。

ものもいわずに、サッとフォールディングナイフを跳ね上げた。

長田の頬に一条の浅いナイフ痕がつき、血が滲み出した。

それはプツプツと数滴の玉となって、長田の頬に盛り上がった。

「なかなかいい冗談だ、長田。ますますオマエが殺したくなった。オレは戦闘で人を殺すことでさえ、忌避感があった。しかし、今度ばかりは違う。怒りは心底、相手を破壊せずにはいられないモチベーションになる」

そういうと再度、フォールディングナイフを捻りあげた。

さきほどのナイフ痕と交差し、歪んだバツ印が長田の頬に刻まれた。

ケンスケに蓬髪を掴まれている長田の目は、三白眼がどんよりと薄汚い濁りを示していた。

知的な、あるいは倫理的な光をいっさい拒否した、生物の輝きさえ感じられぬ色だった。

「うるせぇ。てめぇにオレが殺せるか。オレがおめぇを殺すんだよ」

長田の声はさっきよりシッカリしている。

「それにオマエの相棒、あー、なんていったか…ああ、鼠とかいうチンケなジジイだ。それにあのババァ。やつらはどうした」

「それがどうかしたか」

「オメェがくたばるところを見せたやりたくってよ」

「口が過ぎるぞ。長田」

スナップを効かせた右手の動きが、フォールディングナイフにしなやかな動きを与えた。



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