不眠症の眠れない夜

元アル中、初老の繰り言、戯れ言か、と。

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鼠の目#470(ほぼ全文はリンクで)

鼠の目・これまでの梗概

<主な登場人物>

オレ=初老のフリーランス便利屋、通称、鼠。説教多し
オカマのマリー=オカマバーの女将、陸上自衛隊OB
ケンスケ=オレの助っ人、仏外人部隊脱走兵
山下=定年前の所轄の刑事
和田由美子=事務所の雑用を請け負ってくれている素敵な女性
和田洋子=和田さんの一人娘
川崎真知子=オレの依頼人。川崎徳一の孫
川崎真理子=真知子の妹
徳永高男=波動研究会の会長、川崎徳一の嫡外子
文龍名=カルト教団・統合真理教会のボス、波動の最高幹部も兼ねる
後藤=徳永の部下、事務方、対外折衝部門の長
宮崎一平=和田洋子のサークル仲間。波動研究会の末端メンバー
長田=波動のメンバー、上島上等兵の息子、徳永の非公然活動を担う
滝川順平=靴屋の隠居、川崎徳一の戦友
川崎徳一=本名・李光徳、川崎姉妹の祖父
川崎良子=川崎徳一の夫人。川崎聖一の母。古朝鮮の祭祀一族の末裔
川崎聖一=川崎徳一の息子であり、川崎姉妹の父。徳一の死後、失踪
川崎篤子=川崎聖一の妻。川崎姉妹の母。廃宮家の末裔
上島上等兵=滝川、川崎の終戦時の上官。長田の父親

d001.jpg

サッとナイフが素早く移動すると、長田の頬にごくわずかなスジが刻まれた。

さきほどのナイフ痕よりずっと小さい。

それほどケンスケのナイフ捌きが見事なのだ。

ケンスケがなにかをいいかけたとき、広場方向からバリバリバリと激しい銃撃音が響いた。

警察と波動、どういう流れなのか判然としないが、とにかく激烈な戦いが進行しているのだ。

「へへ。オレが殺した数なんてたかが知れている。波動も警察もみんな人殺しじゃねぇか」

「黙れ。韜晦は通じない」

その時だ。

ビシッと銃弾がケンスケの左腕を射抜いた。

クッ、と小さく叫ぶと、ケンスケは弾かれるように脇に転がった。

転がりつつ、ケンスケは銃弾の発射された方向を見た。

それは仏外人部隊で徹底して仕込まれた生き延びる術だった。

波動がいる。

迷彩服をまとい、まだ幼い風貌の眼鏡をかけた若者だった。

若者は肩にあてたAK47の照準をつけたまま、また引き金を引いた。

弾はわずかにケンスケをそれた。

立ち木を何本か遮蔽物にケンスケは身体を隠す。

姿勢を低くし、左腕を見た。

二の腕部分を掠めたようだった。

貫通はしていない。

多少の出血はあるが、特にどうということはないようだ。

しかし、力がはいらない。

それは仕方がなかろう。

尻ポケットから大判のバンダナを取り出すと、口と右手を使って、患部を絞り上げる。

まあ、応急処置にはなるだろう。

その間に波動の若者が消えていた。

長田はどうなった?

長田の方向に視線を走らせた。

やはり長田の姿も消えていた。



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