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鼠の目#473(ほぼ全文はリンクで)

鼠の目・これまでの梗概

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薄暗く、しのつく雨で視界が悪い。

オレと由美子はゆっくりと進んだ。

相変わらず、ヒュンヒュン、ダーンという発砲音が続いている。

時々、視界に警官の姿が入る。

発見されないよう、誤射されぬよう願うばかりだ。

とりあえず、ここまでは僥倖に恵まれている。

まるで小説世界だ。

稜線方向に上がってくる男が見えた。

サッと身体を隠す。

光線の方向でこちらからはよく見える。

ケンスケだ。

しかしいつものシャープな動きに欠けている。

自分をキチンと統合できていな印象だ。

ケンスケ、と低く、しかし鋭くオレは声をかけた。

頭を巡らし、オレに視線が投げられた。

押し殺した怒りの感情が離れていてもわかった。

周囲の安全を確かめ、素早くケンスケが近付いてきた。

削いだような表情が一段と険しくなっている。

ケンスケがオレの正面に立った。

「手短にいう。山下刑事が死んだ」

オレは最初なんのことだか理解できなった。

「死んだ?誰が?」

「山下刑事だ。長田に殺された」

横で話しを聞いていた和田由美子の表情がみるみる歪んできた。

「うそでしょ。山下さんが死ぬわけはないわ」

「今は冗談が最も似つかわしくない。山下刑事は長田のライフルで射殺された」

オレは胃液が逆流するのを感じた。



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