不眠症の眠れない夜

元アル中、初老の繰り言、戯れ言か、と。

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鼠の目#474(ほぼ全文はリンクで)

鼠の目・これまでの梗概

<主な登場人物>

オレ=初老のフリーランス便利屋、通称、鼠。説教多し
オカマのマリー=オカマバーの女将、陸上自衛隊OB
ケンスケ=オレの助っ人、仏外人部隊脱走兵
山下=定年前の所轄の刑事
和田由美子=事務所の雑用を請け負ってくれている素敵な女性
和田洋子=和田さんの一人娘
川崎真知子=オレの依頼人。川崎徳一の孫
川崎真理子=真知子の妹
徳永高男=波動研究会の会長、川崎徳一の嫡外子
文龍名=カルト教団・統合真理教会のボス、波動の最高幹部も兼ねる
後藤=徳永の部下、事務方、対外折衝部門の長
宮崎一平=和田洋子のサークル仲間。波動研究会の末端メンバー
長田=波動のメンバー、上島上等兵の息子、徳永の非公然活動を担う
滝川順平=靴屋の隠居、川崎徳一の戦友
川崎徳一=本名・李光徳、川崎姉妹の祖父
川崎良子=川崎徳一の夫人。川崎聖一の母。古朝鮮の祭祀一族の末裔
川崎聖一=川崎徳一の息子であり、川崎姉妹の父。徳一の死後、失踪
川崎篤子=川崎聖一の妻。川崎姉妹の母。廃宮家の末裔
上島上等兵=滝川、川崎の終戦時の上官。長田の父親

Cap1793.jpg

山下が死んだ、だと?

無愛想、仏頂面を絵に描いたような男がだぞ。

偏屈で頑固だが、警察のなんたるかを一番心得ていた男。

義理人情クソクラエをうそぶくくせに、最も義理人情に篤かった刑事が、だ。

しかもよりによって長田という、人ともいえぬ昆虫以下に殺されただと?

オレは全身の血が果てしない底の底に落ちていく思いがした。

「で、長田はどうなった」

「トンズラだ。追えなかった。山下が心配で。しかもドサクサでこの有様だ」

ケンスケは自分の左腕を示した。

バンダナできつく巻いてあるが、血が滲んでいる。

「腕は大丈夫なのか?」

「ああ。かすり傷だ。血は出ているが支障はない」

パーンと跳弾がまた弾け飛んだ。

慌てて首を竦める。

無意識の反応だが、本当に当たっていれば、なんの効果もない。

つまり、オレたちは煙弾のなかで丸腰で立ち尽くしているに等しい。

「どうするんだ、これから。安全確保のために三人で下りるか?」

オレの問いにケンスケはかぶりを振った。

「いや。長田を始末する。悪いが和田さん、オレにやらさせてもらうよ」

「一緒にやりましょう。足手まといには決してならないから」

「ヤツは手傷を負っている。さらに危険だ。ライフルをいまだに所持しているかもしれない」

「だめ。万一、わたしが殺されたら、ケンスケさん、長田を殺して。それにケンスケさんが殺されたら、わたしが長田を殺すわ」

和田由美子の目の光が、さらにきつくなってきた。



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