不眠症の眠れない夜

元アル中、初老の繰り言、戯れ言か、と。

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鼠の目#479(ほぼ全文はリンクで)

鼠の目・これまでの梗概

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現場に近付くにつれ、銃声と怒号がますますハッキリと聞こえる。

はしなくも安田はワクワクしていた。

現場とはこれだ、性的な興奮さえ覚えるようなスリリングな場所なんだ、その思いを強くした。

広場が辛うじて見える場所に安田は身を潜めた。

慌しく動くのは警察だろうか。

ライフルで武装している。

ときどき立ち止まっては周りを見渡して、安全を確認していた。

立ち木の間を通して、いくつか転がっている人間の身体が見えた。

あれは死体だ、と安田は確信した。

好都合なことに広場は警察の投光器で明々と照らされている。

撮影用の照明を持参していない安田にとって、照明不要の明るさはありがたかった。

身体をかがめ、ムービーを回す。

手のひらに入るようなサイズでありながら、ズームもレンズも性能は申し分ない。

昔ならテキヤの引越しのような道具立てが必要ではあったんだが、今は誰でも放送記者になれる。

メディアはパーソナル化するな、と変なところで安田は納得した。

しかし、これからが安田の安田たる所以だった。

対象に徹底して迫る。

これが安田のスタイルだ。

安田はジリジリと広場のへりを目指した。

少し前方にライフルを抱えた警官の姿が見える。

視界から離れるべく迂回して回り込もうとした。

安田の足元に浮石があった。

不覚にも浮石に足を取られた安田が、どうと倒れこんでしまった。



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