スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

鼠の目#376(ほぼ全文はリンクで)

鼠の目・これまでの梗概

<主な登場人物>

オレ=初老のフリーランス便利屋、通称、鼠。説教多し
オカマのマリー=オカマバーの女将、陸上自衛隊OB
ケンスケ=オレの助っ人、仏外人部隊脱走兵
山下=定年前の所轄の刑事
和田由美子=事務所の雑用を請け負ってくれている素敵な女性
和田洋子=和田さんの一人娘
川崎真知子=オレの依頼人。川崎徳一の孫
川崎真理子=真知子の妹
徳永高男=波動研究会の会長、川崎徳一の嫡外子
文龍名=カルト教団・統合真理教会のボス、波動の最高幹部も兼ねる
後藤=徳永の部下、事務方、対外折衝部門の長
宮崎一平=和田洋子のサークル仲間。波動研究会の末端メンバー
長田=波動のメンバー、徳永の非公然活動を担う
滝川順平=靴屋の隠居、川崎徳一の戦友
川崎徳一=本名・李光徳、川崎姉妹の祖父
川崎良子=川崎徳一の夫人。川崎聖一の母。古朝鮮の祭祀一族の末裔
川崎聖一=川崎徳一の息子であり、川崎姉妹の父。徳一の死後、失踪
川崎篤子=川崎聖一の妻。川崎姉妹の母。廃宮家の末裔
上島上等兵=滝川、川崎の終戦時の上官。こすからい古参下士官

赤軍


チェッ、文龍名め、まったくいまいましいクソ野郎だぜ…ブツブツと呪詛の言葉を撒き散らしながら、長田は闇の迫る中を歩いていた。

チラホラと波動のメンバーが見える。

若いのや中年、年齢差はあるが女は一人も見えない。

それは仕方あるまい。

これからドンパチがおっぱじまろうとしているんだ。

女は足手まといにこそなれ、戦力にはならん。

どうせ連合赤軍の浅間山荘事件ように、相手の圧倒的な火力、人員、兵站に踏み潰されるのだ。

女は男の戦意を高めるために、安全なところで股を開いてくれてりゃいい。

ジェンダー差別でなんかあるもんか。

そもそも平等なんてクソクラエ、だ。

女は男を腹の上で泳がせてりゃいいんだよ。

射精して男の腰が軽くなりゃ、それだけ戦意も高まるさ。

長田の女の見方はこうだった。

薄闇の向こうに、さらに濃く闇が佇んでいた。

その闇の中に、板で囲まれた一画がある。

長田はそこが川崎姉妹がいるところだろうと見当をつけていた。

近づいてみると、一画を囲む板は杉の無垢材だった。

神域に相応しい清浄感がある。

口形の囲みの一部が切れ、そこが中の東屋への入口になっている。

切れ口の前には歩哨と呼べばいいのだろう、屈強そうな若い男が立っていた。

オレと同じような匂いがするな、と長田は思った。

誰だ、オマエは、とその男が長田を誰何した。

初対面の男だ。

「オイ、オマエ。オレを知らないってな、モグリか」

長田は威圧的に答えた。

「知らんね、オマエのような汚い野郎は。テメェのような不浄が立ち入るところじゃねぇ」

「なんだと、こら。口には気をつけろ。オレは気が短いんだ」

「短けりゃどうした。失せろ、このゴミタメ野郎」

男も傲然といい放った。

暴力嗜好者同士の剣呑な会話だ。

いってみれば暴走族が路上で鉢合わせをしたようなものだ。

虚勢のぶつかりだ。

腕力だけが支配する荒涼とした精神風景だ。



上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。