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鼠の目#377(ほぼ全文はリンクで)

鼠の目・これまでの梗概

後ろ蹴り


オレをイラつかせるな、という男の言葉に、長田の拳が飛んだ。

無論、ケンスケに粉砕されていない方の拳がだ。

男はきわどくスェーしたが、わずかに反応が遅れた。

長田の拳半分が男の顎先を打ち抜いた。

東屋の壁に男は激突した。

さらにつっかかろうと長田が一歩前に出た瞬間、男は軽業のような速さで立ち上がり、後ろ蹴りに長田の腹を蹴り上げた。

ウッ、と呻いて長田は身体を折った。

逆にトドメを刺そうと男が身構えたとき、なにを騒いでいるの、という声がした。

長田と男は同時に振り返った。

白装束の女が立っていた。

「なにをしているの。騒いでいる場合じゃないでしょ」

あ、申しわけありません、と男は畏まった。

だれなの、あなたは、と女が長田に問うた。

長田が下卑な笑いを浮かべた。

「おいおい、お忘れかい。オレだよ。長田だよ」

「長田?知らないわ」

長田の顔がみるみる赤黒くなってきた。

「いい加減にしろよ。やっとのことでここにたどり着いたんだ。知らないはないだろう」

男が咎めるような顔つきになった。

「おい、長田とやら。御先師様にぞんざいな口をきくんじゃねぇ」

「黙りやがれ、ドチンピラ。オイ、真理子。やっと逢えたんだ。中で積もる話でもしようぜ」

「知らないものは知らない。それにわたしは真理子ではないわ。第一、あなた波動のメンバーなの?」

「真理子じゃない?どういうことだ?どうした、忘れたのか?波動で一番腕っぷしのたつオレのことをよ。一緒に熱い思いもしたじゃねぇか」

「波動のメンバーなら、今、騒いだりしないわ。静かに明日に備えなさい。文龍名の指示を待ちなさい」

そういうと女は警備の男に向き直った。

「今は明日の戦力が必要なの。聞き分けできるようにその男を躾けなさい」

それだけいうと女は中へ消えた。



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