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鼠の目#379(ほぼ全文はリンクで)

鼠の目・これまでの梗概

貝印


なにかに突き動かされるように、突然、目覚めた。

いけない、どうなっちまったんだ。

オレは上半身を起こし、周りを見渡した。

和田由美子の姿はない。

彼女とセックスをしたことまではありありと記憶している。

そうか、その後、墜落するように眠り込んでしまったんだ。

放つだけ放っておいて高鼾とは、なんともデリカシィに欠ける。

それは後悔といったネガティブな感情ではないが、どうにも据わりの悪い心持がした。

時計を見ると八時を指している。

オレとしてはかなり眠ったほうだ。

まあ、とにかく身繕いをしよう。

この情けないフルチン姿にせめて下着くらい与えなきゃな。

オレはベッド下に散乱しているはずのトランクスを探した。

しかしベッド下はきれいに片付けてある。

由美子が始末をしてくれたのだろう。

フルチン姿を晒した初老男を見ながら、そいつの下着を片付ける思いはどうたったんだろう。

決して美しくない。

いや、おぞましいという言葉しか浮かんでこなかった。

クローゼットからバスタオルを取り出し、腰に巻く。

とりあえずシャワーだ。

石鹸で身体を洗う。

髪も石鹸だ。

シャンプーなるものは髪がヌルヌルしてかなわない。

汚れが落ちる感覚がない。

髭も当たる。

替刃も新品に取り換える。

オレはあまり髭が濃くないので、替刃も頻繁に換える必要がない。

しかしそれはそれ、新品だと肌へのあたりが違う。

このあたり、男ならわかるな。

歯も丁寧に磨いた。

舌の苔も歯ブラシでこさぎ取った。

すべてを洗い流し、身体を拭く。

シーブリーズを振りかけて終了だ。

薄膜のような初老分泌物を取り除いた爽快感がある。

洗濯したてのトランクスに足を突っ込むと、生まれ変わった気がする。

もっともトランクスの洗濯も由美子にやってもらっているんだがな。



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