不眠症の眠れない夜

元アル中、初老の繰り言、戯れ言か、と。

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鼠の目#385(ほぼ全文はリンクで)

鼠の目・これまでの梗概

カラシニコフ


痛む掌を押さえながら、長田は兵員宿舎と思しき仮設テントへ向かった。

見知った顔もあれば、知らない顔もある。

しかし、どの顔も緊張感がありありと見て取れる。

なにかが起こる、その予感が誰にもあるのだろう。

さきほど文龍名のところで出会った西村の顔が見えた。

長田は、西村、と声をかけた。

「おや。長田さん。どうしました」

「ああ、いよいよだなと思ってね。オレも準備に入ったほうがいいだろうと考えていたんだ。文龍名からも力を貸してくれくれ、といわれてたからな」

西村があどけない笑顔をみせた。

「そうですか。そりゃありがたい」

それでな、と長田は話の腰を折った。

「手を少し怪我している。骨がいかれている。添木にバンテージをもらえないか。あ、それにライフルの場所も教えてくれ」

「お安い御用ですよ。こんな山の中ですからね、メンバーに生傷が絶えなくて、ふんだんにありますよ。あ、それとライフルは隣の小さいほうのテントにあります。全部、カラシニコフです。M16は残念ながらないんです。長田さんの演習はどっちでした?ま、どっちでも大丈夫でしょ、長田さんなら」

その問いに、長田は、さも当然なように顎を引いた。

「じゃ、添木とバンテージ取って来ます。ちょっとまっててください」

テントの周りに置いてある、電池式の蛍光灯が鈍い光を放っていた。

それを頼りに武器庫とも呼べるテントを覗いて見た。

カラシニコフが十数挺、その横に実包の箱が積み上げられている。

弾数がどれくらいの数になるのか、長田には理解できなかった。



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