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鼠の目#395(ほぼ全文はリンクで)

鼠の目・これまでの梗概



さらにケンスケは追い討ちをかけるように続けた。

「そもそもの始まりは、川崎真知子が妹の真理子を波動から奪還してくれ、ということだった」

オレは頷くしかなかった。

「ところがその川崎姉妹は、いつの間にかつるんで神さびた土地にキャンプを拵えている。
それも山下刑事の話だと、武装している可能性が高い。川崎真知子の依頼そのものが、すでに意味をなさないことになる。だって、姉妹一緒にいるんだ。奪還もクソもない」

「それじゃ何のためにオレたちは、そこへ向かおうとしているのか。オレたちは長田に吸い寄せられるような状態になっている。なぜか。長田が和田洋子と宮崎一平殺しの犯人だからだろ?しかし、それだけでオレたちがなぜ動かなきゃならないんだ。犯人を検挙する、それは警察の仕事、そうじゃないのか?」

「関わりたくないのか、ケンスケは?」

「いや。そうじゃない。興味はある。見届けてやろうじゃないか、そういう覗き見根性があることは否定しない。ただ…」

「ただ、なんだ?」

「オレたちが行動する理由は和田洋子の仇をうつために、和田さんを助力するため、そればかりじゃないと感じている」

「意味がわからんぞ」

「波動に引き寄せられるなにかがある、そう思えて仕方がない」

「オレは断固、波動のシンパサイザーではない」

「それはそうだろう。しかしアンタはなんでここまでのめりこむ。和田さんを愛しているからか?」

オレはウッとつまった。

「オマエさんが和田さんを愛していることはいい。和田さんは素敵な女性だ。そして和田さんの娘は長田に殺られた。だから和田さんを助けるためにオマエさんが、手を貸す。これもいい。しかし、それはオマエと和田さんの関係であって、オマエが川崎真知子から受けた依頼とは一切リンクしていない。そこなんだよ。オレが腑に落ちないのは」

オレは黙ってケンスケの言葉を聞いていた。



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