不眠症の眠れない夜

元アル中、初老の繰り言、戯れ言か、と。

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鼠の目#405(ほぼ全文はリンクで)

鼠の目・これまでの梗概

フェンス

茶を啜り終わり、片付ける。

倉庫代わりに借りている別室のカギを開け、ミネラルウォーターをワンケース引き出した。

整理が行き届いているのは、由美子のおかげにほかならない。

ミネラルウォーターにしたって、オレが用意したんじゃない。

由美子が、こういう備えは必ずいるものよ、と用意しておいてくれたのだ。

ミネラルウォ-ターの横には、アルファ米や乾燥食品の数々が段ボールに詰めてある。

オレが乾燥食品、ケンスケがミネラルウォーターを事務所の扉の外まで運んだ。

ざっと部屋を見渡す。

特段、見落としはなかろう。

留守電もセットした。

不要な電源も落としてある。

灰皿もきれいに始末した。

いいかな、これで、とオレは由美子とケンスケを見た。

二、三度二人は頷いた。

「よし、じゃあ行くか。ケンスケ、ミネラルウォーターを頼む」

ケンスケはミレーのバックパックを背負い、ミネラルウォーターのケースを軽々と持ち上げると、階下へ降りていった。

オレもグレゴリーのバックパックを背負い、乾燥食品の入った段ボール箱を持ち上げた。

腕が痛かった。

扉のロックを由美子に頼み、階下へ下りる。

駐車場のカローラまで歩きだ。

こういう田舎でもダウンタウンに駐車場を見つけるのは骨が折れる。

カローラも事務所から歩いて五分ほどかかる場所に置いてある。

数十メートル先を歩くケンスケを追って、腕の痛みを我慢しながら歩いた。

直後に、バックパクを背負った由美子が続いた。

駐車場のフェンスをまがり、一番奥のカローラに近づいたときだ。

ケンスケが誰かと話している。

誰だ、あれは。

そのその男はオレたちと同じような服装をしていた。

いわゆるアースカラーのアウトドア系というところか。

帽子はかぶっていない。

シャツの上からのぞく頑丈そうな首の上に乗っかている頭は、短く刈り込まれている。

しかし日焼けしていない、妙な白さがある。

一体、誰だというんだ。

オレは不審な思いを抱きながら、二人に足を近づけた。



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