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鼠の目#416(ほぼ全文はリンクで)

鼠の目・これまでの梗概

<主な登場人物>

オレ=初老のフリーランス便利屋、通称、鼠。説教多し
オカマのマリー=オカマバーの女将、陸上自衛隊OB
ケンスケ=オレの助っ人、仏外人部隊脱走兵
山下=定年前の所轄の刑事
和田由美子=事務所の雑用を請け負ってくれている素敵な女性
和田洋子=和田さんの一人娘
川崎真知子=オレの依頼人。川崎徳一の孫
川崎真理子=真知子の妹
徳永高男=波動研究会の会長、川崎徳一の嫡外子
文龍名=カルト教団・統合真理教会のボス、波動の最高幹部も兼ねる
後藤=徳永の部下、事務方、対外折衝部門の長
宮崎一平=和田洋子のサークル仲間。波動研究会の末端メンバー
長田=波動のメンバー、上島上等兵の息子、徳永の非公然活動を担う
滝川順平=靴屋の隠居、川崎徳一の戦友
川崎徳一=本名・李光徳、川崎姉妹の祖父
川崎良子=川崎徳一の夫人。川崎聖一の母。古朝鮮の祭祀一族の末裔
川崎聖一=川崎徳一の息子であり、川崎姉妹の父。徳一の死後、失踪
川崎篤子=川崎聖一の妻。川崎姉妹の母。廃宮家の末裔
上島上等兵=滝川、川崎の終戦時の上官。長田の父親

ビタメジン

説教ついでで、続ける。

あー、つまりだな、科学や技術に人間の知恵が乗り越えられ、知恵が不安を抱き始めた、と書いた。

これは論拠といえるものはない。

オレの推測、想像だ。

まあ、とにかく、だ。

乗り越えられた知恵は不安で仕方がない。

そこで知恵はどうしたか。

こうしたんだ。

西洋的合理主義が行き詰った結果が、このような不安なら、逆に東洋的精神主義が不安を解消する方途ではないか、と旋回し始めたんだ。

確かに東洋的哲理は不安を解消するように働く。

科学で説明できないことも、空であるとか道であるとか、あるいは気であるとか、およそ合理的説明が不可能な言葉で敷衍することができる。

いってみれば光の媒質としてエーテルを予想したことと変わらない。

気という言葉がいかに融通無碍、変幻自在であるか、日常の言葉として考えてもいい。

例えば、気合でいけ、病は気から、それもこれも決して合理的ではない。

しかし、それらは精神世界にとどまって敷衍されるなら、あながち荒唐無稽ともいえぬ。

気合は第2次大戦のときの日本兵の勇気を想起すればいい。

あるいは甲子園球児のガッツをみればいい。

さらに。

病んではいるが、篤実な信仰者が、健常者となんら変わらぬ高い精神性を保持しつつ、闘病に励んでいる。

すなわち、精神世界にとどまり、閉じている限り、東洋的哲理は人間の本質を突いている可能性が高いのだ。

ところがしかし。

西洋的合理主義の不安を東洋的精神主義の高邁な言葉で説明しようとしだした。

気が足りないがゆえ、細胞が活性化しないのです、と。

前段の「気」が、後段の「活性化」といかなる関係があるのか。

気が足りなければ、元気を出せ、といえばいい。

活性化させるならビタミン剤でも服用すればいい。

そうであるはずだ。

ところが。

不安な位置にある知恵はビタミン剤の代わりに気を注入しなければならない、という方向に傾いてしまったのだ。



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