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鼠の目#422(ほぼ全文はリンクで)

鼠の目・これまでの梗概

<主な登場人物>

オレ=初老のフリーランス便利屋、通称、鼠。説教多し
オカマのマリー=オカマバーの女将、陸上自衛隊OB
ケンスケ=オレの助っ人、仏外人部隊脱走兵
山下=定年前の所轄の刑事
和田由美子=事務所の雑用を請け負ってくれている素敵な女性
和田洋子=和田さんの一人娘
川崎真知子=オレの依頼人。川崎徳一の孫
川崎真理子=真知子の妹
徳永高男=波動研究会の会長、川崎徳一の嫡外子
文龍名=カルト教団・統合真理教会のボス、波動の最高幹部も兼ねる
後藤=徳永の部下、事務方、対外折衝部門の長
宮崎一平=和田洋子のサークル仲間。波動研究会の末端メンバー
長田=波動のメンバー、上島上等兵の息子、徳永の非公然活動を担う
滝川順平=靴屋の隠居、川崎徳一の戦友
川崎徳一=本名・李光徳、川崎姉妹の祖父
川崎良子=川崎徳一の夫人。川崎聖一の母。古朝鮮の祭祀一族の末裔
川崎聖一=川崎徳一の息子であり、川崎姉妹の父。徳一の死後、失踪
川崎篤子=川崎聖一の妻。川崎姉妹の母。廃宮家の末裔
上島上等兵=滝川、川崎の終戦時の上官。長田の父親

ダート

しかし、いずれにせよ、波動の事態を抜いたマスコミはあっても、すべてのマスコミが殺到し、遅かれ早かれ必ずスラップスティックコメディ状態になるのは間違いなかろう。

その大騒ぎ地点とまったく逆からキャンプに潜入できるのは、大いなるメリットといわねばならん。

いかにこれから大迂回しようが、この点、山下刑事には満腔より感謝、だな。

オレは3本目のハイライトを灰皿に捻じ込んだ。

さて、行くか、と皆に声をかけた。

カローラの4枚のドアからそれぞれが、乗り込む。

オレ、ケンスケ、マリー、和田由美子。

表情は誰も変わっていない。

これからマリーの店で飲もうじゃないか、という雰囲気だ。

ケンスケがゆっくりカローラの鼻先を回した。

これからもう僅かで国道とはおさらばだ。

県道の枝線に入り、そこからはさらに林道を登ることになる。

とりあえず、カローラで突っ込めるまでは突っ込むのだ。

国道から県道へ左折すると、さらにもの寂しい雰囲気になる。

右手側は渓流へと落ち込んだ斜面になっている。

その向こうの斜面にしがみつくように民家が一軒、見えるきりだ。

左手は同じく壁。

ところどころから、湧き水が染み出し、路面に黒い染みをつけている。

湧き水の伝わる壁面には、シダとコケがみっしりと生えていた。

ウネウネと曲がりくねった県道を、慎重に上がっていく。

小一時間ほどすると、林道への分岐に突き当たった。

このまま県道を上がれば、隣県の山裾へ下るが、オレたちは林道側へハンドルを切った。

すぐに舗装が切れた。

粘土質むき出しのダートがつながっている。

カローラは小石をミチミチと吹き飛ばし、ジリジリと不快な音をたてながら林道を登っていく。



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