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鼠の目#426(ほぼ全文はリンクで)

鼠の目・これまでの梗概

<主な登場人物>

オレ=初老のフリーランス便利屋、通称、鼠。説教多し
オカマのマリー=オカマバーの女将、陸上自衛隊OB
ケンスケ=オレの助っ人、仏外人部隊脱走兵
山下=定年前の所轄の刑事
和田由美子=事務所の雑用を請け負ってくれている素敵な女性
和田洋子=和田さんの一人娘
川崎真知子=オレの依頼人。川崎徳一の孫
川崎真理子=真知子の妹
徳永高男=波動研究会の会長、川崎徳一の嫡外子
文龍名=カルト教団・統合真理教会のボス、波動の最高幹部も兼ねる
後藤=徳永の部下、事務方、対外折衝部門の長
宮崎一平=和田洋子のサークル仲間。波動研究会の末端メンバー
長田=波動のメンバー、上島上等兵の息子、徳永の非公然活動を担う
滝川順平=靴屋の隠居、川崎徳一の戦友
川崎徳一=本名・李光徳、川崎姉妹の祖父
川崎良子=川崎徳一の夫人。川崎聖一の母。古朝鮮の祭祀一族の末裔
川崎聖一=川崎徳一の息子であり、川崎姉妹の父。徳一の死後、失踪
川崎篤子=川崎聖一の妻。川崎姉妹の母。廃宮家の末裔
上島上等兵=滝川、川崎の終戦時の上官。長田の父親

霊

「え?どういうことなの?初めて聞く話だわ」

「そうね。このことを知っているのはわたしと、僅かに文龍名が気付いているかもしれない、その程度だわ」

「和田洋子の名前は知っているわ。でも、彼女はアンチの側じゃなかったかしら。彼女の大学サークルでウチのメンバー…ええと…」

「宮崎一平」

「そうだったわ。でも、その宮崎一平がサークル内で布教活動することを和田洋子は嫌悪していたはずじゃないの」

川崎真知子が咳き込むように尋ねた。

「最初は、ね。でも彼女は波動本部のマンションに現れた。そこで会長の高男兄さんと話していたいたときに、たまたま出会ったのよ。なんだか和田洋子という女、ちょっと匂いが違ったわ」

「違うって、なにが?」

「あのね、姉さんはわたしほど霊的にインスパイアされないわよね」

真知子は、ええ、と小さく顎を引いた。

「波動組織内で、姉さんでなく、わたしが最上位を占めたのも理由はそこでしょ。霊的にインスパイアされやすい女って匂いが違うのよ。それは具体として言葉にはならないわ。瞬間に理解できるものな。だからこそ霊的な匂いともいえるわ」

「つまり和田洋子にはその匂いがあった、ということね」

「そうなの。彼女もなにかしら感じるものがあったみたい。いや、はっきりいうわ。彼女はわたしより数段上の霊的存在に思えたわ。本来あるべき霊的存在のまえに、半可通なわたしがいる、そう思えた。彼我の差は絶望的なほどある、と直感できた」



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