不眠症の眠れない夜

元アル中、初老の繰り言、戯れ言か、と。

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鼠の目#428(ほぼ全文はリンクで)

鼠の目・これまでの梗概

<主な登場人物>

オレ=初老のフリーランス便利屋、通称、鼠。説教多し
オカマのマリー=オカマバーの女将、陸上自衛隊OB
ケンスケ=オレの助っ人、仏外人部隊脱走兵
山下=定年前の所轄の刑事
和田由美子=事務所の雑用を請け負ってくれている素敵な女性
和田洋子=和田さんの一人娘
川崎真知子=オレの依頼人。川崎徳一の孫
川崎真理子=真知子の妹
徳永高男=波動研究会の会長、川崎徳一の嫡外子
文龍名=カルト教団・統合真理教会のボス、波動の最高幹部も兼ねる
後藤=徳永の部下、事務方、対外折衝部門の長
宮崎一平=和田洋子のサークル仲間。波動研究会の末端メンバー
長田=波動のメンバー、上島上等兵の息子、徳永の非公然活動を担う
滝川順平=靴屋の隠居、川崎徳一の戦友
川崎徳一=本名・李光徳、川崎姉妹の祖父
川崎良子=川崎徳一の夫人。川崎聖一の母。古朝鮮の祭祀一族の末裔
川崎聖一=川崎徳一の息子であり、川崎姉妹の父。徳一の死後、失踪
川崎篤子=川崎聖一の妻。川崎姉妹の母。廃宮家の末裔
上島上等兵=滝川、川崎の終戦時の上官。長田の父親

絶壁

「それはつまり、和田洋子の図抜けた霊性が、あなたに取って代わるはずだ、と思ったの?」

真知子はゴクリと喉をならした。

「ええ、そう。でもね、和田洋子にその意図はなかったと思う」

「というと?」

「彼女は看破したんだわ、きっと。波動はインチキである、と。そこそこわたしに霊性があったとしても、いかほどのものかしら、と歯牙にもかけなかったはず。むしろ、わたしと出会うことで、自分の霊性の高さに気付いたような気がするわ。だから、むしろ自らで新しい哲学を探そうとしたかもしれない」

「でも、あなたは仄かな殺意を抱いた」

「そう。有体にいえば嫉妬だったと思う。わたしなど足元にも及ばない、峨々たる高み。それが悔しかったのね。わたしもこの波動を率いて、それなりのプライドはあった。でも、ダメね。所詮、ホンモノとパチモノじゃ、そもそもの魂の勢いが違うわ。それが悔しく、嫉妬したのね」

「それが殺意の源、ということなの?」

「それしか考えられないわ。だってそうでしょ。和田洋子はわたしのところへ来て、自らの霊性に気付いた。しかし、波動の破綻も直感的に理解していた。縁なし、と踏んでいたはずだわ。そのままであれば、彼女は新たに勉強を始め、精神世界のリーダーを目指したでしょう。しかし、わたしにはそれが許せない。精神世界のリーダーはわたしのはずなの。だから…」

「だから、長田に和田洋子殺害を依頼した。そのために長田を腹の上で泳がした…」

「ええ。まったくその通り」



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