スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

鼠の目#432(ほぼ全文はリンクで)

鼠の目・これまでの梗概

<主な登場人物>

オレ=初老のフリーランス便利屋、通称、鼠。説教多し
オカマのマリー=オカマバーの女将、陸上自衛隊OB
ケンスケ=オレの助っ人、仏外人部隊脱走兵
山下=定年前の所轄の刑事
和田由美子=事務所の雑用を請け負ってくれている素敵な女性
和田洋子=和田さんの一人娘
川崎真知子=オレの依頼人。川崎徳一の孫
川崎真理子=真知子の妹
徳永高男=波動研究会の会長、川崎徳一の嫡外子
文龍名=カルト教団・統合真理教会のボス、波動の最高幹部も兼ねる
後藤=徳永の部下、事務方、対外折衝部門の長
宮崎一平=和田洋子のサークル仲間。波動研究会の末端メンバー
長田=波動のメンバー、上島上等兵の息子、徳永の非公然活動を担う
滝川順平=靴屋の隠居、川崎徳一の戦友
川崎徳一=本名・李光徳、川崎姉妹の祖父
川崎良子=川崎徳一の夫人。川崎聖一の母。古朝鮮の祭祀一族の末裔
川崎聖一=川崎徳一の息子であり、川崎姉妹の父。徳一の死後、失踪
川崎篤子=川崎聖一の妻。川崎姉妹の母。廃宮家の末裔
上島上等兵=滝川、川崎の終戦時の上官。長田の父親

アジ

太陽が中天から滑り落ち始めた。

長田が時計を確認すると2時を過ぎている。

太陽に炙られ、ひどく喉が渇く。

何度か往復してペットボトルの水を詰め替えた。

もう一度詰め替えようと立ち上がったとき、波動キャンプに動きが現れた。

始まる、と長田は直感した。

予備のペットボトルを用意しておいてよかった、と感じた。

鬱蒼とした雑木林越しではなく、さらによく見えるようにと長田は視界を遮る岩を高巻きし、岩越しにキャンプを眺める姿勢をとった。

キャンプ中央の広場に、文龍名が進んだ。

なにかがパッキングされていた、木箱に足をかけた。

その後ろには、ジーンズにTシャツという、およそ波動最高幹部に相応しくない格好の川崎姉妹が続いている。

さらにそれを取り囲むように数十人の若者が手に手にカラシニコフを持ち、集まっている。

そのうち何人かは壮年から中年、また二人ほど女が確認できた。

箱の上にたった文龍名がなにか、檄を飛ばしているように思えたが、長田の耳には聞き取れなかった。

もし長田が、百メートルほどでも近づいていれば、文龍名のこういう獅子吼を聞くことができたろう。



上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。