不眠症の眠れない夜

元アル中、初老の繰り言、戯れ言か、と。

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

鼠の目#439(ほぼ全文はリンクで)

鼠の目・これまでの梗概

底引き網

山下の目にも波動の拵えたキャンプ、つまり人工物が見えてきた。

となりの同僚刑事に喘ぎながら尋ねた。

「どうやって作ったんだ。彼らの所有地のなのか、あそこは」

「いや。国有地だ。このガサのお札も国有地の不法占拠って容疑になっている。山下、オマエ知らなかったのか?」

「知らんよ。どうせガサのためのお札だろ?いちいち確認しないぜ。おまえこそ確認してんのか」

同僚は耳の後ろを掻いた。

当たっているだけに答えようがないのだろう。

先頭の人間が中を見極めるように、様子を窺っている。

若い男が二人、キャンプ入口に立っていた。

先頭の男がなにかいうと、押し問答のような会話が続いた。

山下はそのすぐ後方に立った。

「だから、関係ないといってるでしょ」

「いや、これが家宅捜査礼状だ。中に入れてもらう」

「ダメですよ。関係ないっていえば、関係ないんだから」

「そうだ。不当な弾圧は認めない」

「いいかね、君たち。われわれは遊びに来ているんじゃない。正当な捜査令状がある以上、ただいまから着手する。これ以上抵抗すれば、公務執行妨害で逮捕、ということになる。そこをどきなさい」

若者は逮捕という言葉の重さにたじろいだようだった。

二、三歩後ずさると、黙って警察の進入を許した。

若者には計算があった。

すでにライフルで武装したメンバーはそれぞれ遮蔽物を使って散開している。

全体をキャンプ内部に入れ込んでしまえば、袋のネズミだ。

各方向から一斉にライフルを打ち込めば、警察を殲滅できる。

若者は腹の中でほくそ笑んでいた。



Leave a reply






管理者にだけ表示を許可する

Trackbacks

trackbackURL:http://shirokin.blog43.fc2.com/tb.php/81-78fd2553
該当の記事は見つかりませんでした。
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。