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鼠の目#441(ほぼ全文はリンクで)

鼠の目・これまでの梗概

スーパーマン

「オイ、見てみろ。入ったな、警察が」

オレの声は少し上ずったかもしれん。

ちょうど稜線がやや下るところにいたために、木が遮蔽となってこちらの姿は視認されていないはずだ。

かりに視認されていれば、それなりの動きがあるはずだ。

さきほど波動のメンバーが散り散りになった。

いよいよ、結末が近づいている。

「ああ、見えた。始まるな」

ケンスケの無機質な答えがあった。

「なるべく遮蔽を選んで進め。単独行動は絶対に不可だ。先頭はオレとケンスケで行く。経験者同士だから心強い。アンタと和田さんがバディを組め。オレたちの後ろ、視認できるできるだけ後ろをついてこい」

マリー、丸田陸曹のキビキビした命令口調が力を与える。

戦闘のプロとはこういうものなのだろう。

オカマ姿は想像できない。

マリーとケンスケが、姿勢を低くして進み始めた。

たしかに二人ともこのことを予想してか、アースカラーの着衣でまとめている。

オレと和田由美子も同様の姿勢で後に続く。

なるべく離れようとするが、どうしても近づきがちだ。

やはりどこかに恐怖があるのだろう。

なにしろ波動は武装しているのだ。

逆にこちらはなにもない。

まったくの丸腰だ。

せめてなにかを探すとすればケンスケのナイフしかない。

それとて周りを囲まれてフルオートで引き金を落とされりゃ、手のうちようがない。

そんなことを考えると、どうしても怯える。

それは仕方がない。

スーパーマンのように都合よくはいかんよ。

待て、とマリーが手で制した。

こちらを向いて声がたたないように口を開いた。

ゆっくりと、一語一語区切るように、大きく口を開けた。

その口を追うと、いる、という言葉が理解できた。



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