不眠症の眠れない夜

元アル中、初老の繰り言、戯れ言か、と。

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鼠の目#444(ほぼ全文はリンクで)

鼠の目・これまでの梗概

<主な登場人物>

オレ=初老のフリーランス便利屋、通称、鼠。説教多し
オカマのマリー=オカマバーの女将、陸上自衛隊OB
ケンスケ=オレの助っ人、仏外人部隊脱走兵
山下=定年前の所轄の刑事
和田由美子=事務所の雑用を請け負ってくれている素敵な女性
和田洋子=和田さんの一人娘
川崎真知子=オレの依頼人。川崎徳一の孫
川崎真理子=真知子の妹
徳永高男=波動研究会の会長、川崎徳一の嫡外子
文龍名=カルト教団・統合真理教会のボス、波動の最高幹部も兼ねる
後藤=徳永の部下、事務方、対外折衝部門の長
宮崎一平=和田洋子のサークル仲間。波動研究会の末端メンバー
長田=波動のメンバー、上島上等兵の息子、徳永の非公然活動を担う
滝川順平=靴屋の隠居、川崎徳一の戦友
川崎徳一=本名・李光徳、川崎姉妹の祖父
川崎良子=川崎徳一の夫人。川崎聖一の母。古朝鮮の祭祀一族の末裔
川崎聖一=川崎徳一の息子であり、川崎姉妹の父。徳一の死後、失踪
川崎篤子=川崎聖一の妻。川崎姉妹の母。廃宮家の末裔
上島上等兵=滝川、川崎の終戦時の上官。長田の父親

ホルスター

山下は腋に吊るしたホルスターから拳銃を取り出した。

警察学校で訓練を受けていたが、実際に取り出すのは、彼の長い警察人生でも初めてだった。

駆け出しの交番勤務の頃や、ヤクザの抗争のときなど手にしたことはあった。

しかしこれほど切迫した場面では初めてだった。

間違いなく引き金を落とす場面がある、と直感した。

そしてその直感は、山下の手を震わせた。

下草の生い茂る斜面にへばりつくように山下は姿勢を低くしている。

立ち木を遮蔽に広場を見渡した。

倒れた警官が二人いる。

ひとりは立ち上がろうともがいているが、もう一人はまったく動かない。

すでにこと切れているのだろう。

山下はゴクリと唾を飲んだ。

僅かに静寂があり、遠くから鳥の鳴き声が聞こえた。

一見、平和な風景そのものだ。

そのときバリバリバリとライフルの一斉射撃が始まった。

目標は中央建物。

ビシッビシッと杉板を銃弾が貫通し、杉板はめくれ、さらに破片が飛び散る。

反対方向から射てっ!と大声が響いた。

山下は硝煙の匂いが立ちこめる方向に一発打った。

あちこち散開した警察の短銃の応射音がいくつか響いた。

その応射は波動の戦意に油をそそぐ結果となった。

なにしろ銃弾数が違いすぎる。

ライフルで警察は武装していないのだ。

短銃一発を打ち込んだところで、波動はライフル銃弾を数十倍にして返してくる。

山下は無駄な射撃をやめ、ひたすら耐え凌ぐことを決意した。



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