不眠症の眠れない夜

元アル中、初老の繰り言、戯れ言か、と。

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鼠の目#447(ほぼ全文はリンクで)

鼠の目・これまでの梗概

168.jpg

山下とのやり取りを聞いていた指令センターの一人が、弾かれたように立ち上がった。

手に要点を書きとめたペーパーを持ち、走って出て行った。

上部機関への報告と判断を仰ぐためだろう。

「山下。今、連絡に走らせた。直ちに対応する。すまないがもう少し詳細に説明してくれ。可能か?」

「ああ。今のところ安全だと思う」

山下は冷静に事実のみを語っていった。

ただ広場中心の建物が今どうなのか、それが視認できないのが辛かった。







射撃音が響く中、長田は逆に広場の方向へ下りていった。

身体中のアドレナリンが一気に賦活されている。

心臓はポンプ能力を最大にあげ、血液を循環させていた。

へへっ、へへっ、と呆けたような笑い声をたてている。

病的な性格破綻者の笑いだった。

警官が一人見えた。

立ち木を遮蔽に広場側を覗き込んでいる。

後方にはまったく顧慮を払っていない。

長田は姿勢を下げ、立ち木の根元に小さくなった。

(バカじゃねぇか、あいつ。さも殺してください、といわんばかりだぜ)

手にしたカラシニコフが長田の肥大しきった自己顕示欲をさらに加速した。

ここまでに長田はすでに三人の生命を奪っている。

三人以上なら、何人でも同じだ、という思いが長田にはあった。

それに警官とはともに天を戴かぬものだ、という刷り込みもある。

警官とは出自を嘲笑する薄汚い貪吏でしかない、そう長田は信じている。

(目を合わすたびに、やつらはオレのことを朝鮮人、とバカにした。オマエは部落か、と舐めた口をききやがった。警官は許せねぇ。警官一人を殺せば、一人分だけ世間の風通しがよくなる)

長田はライフルのセイフティをリリースし、警官の後頭部に照準を当てた。



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