不眠症の眠れない夜

元アル中、初老の繰り言、戯れ言か、と。

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鼠の目#450(ほぼ全文はリンクで)

鼠の目・これまでの梗概

<主な登場人物>

オレ=初老のフリーランス便利屋、通称、鼠。説教多し
オカマのマリー=オカマバーの女将、陸上自衛隊OB
ケンスケ=オレの助っ人、仏外人部隊脱走兵
山下=定年前の所轄の刑事
和田由美子=事務所の雑用を請け負ってくれている素敵な女性
和田洋子=和田さんの一人娘
川崎真知子=オレの依頼人。川崎徳一の孫
川崎真理子=真知子の妹
徳永高男=波動研究会の会長、川崎徳一の嫡外子
文龍名=カルト教団・統合真理教会のボス、波動の最高幹部も兼ねる
後藤=徳永の部下、事務方、対外折衝部門の長
宮崎一平=和田洋子のサークル仲間。波動研究会の末端メンバー
長田=波動のメンバー、上島上等兵の息子、徳永の非公然活動を担う
滝川順平=靴屋の隠居、川崎徳一の戦友
川崎徳一=本名・李光徳、川崎姉妹の祖父
川崎良子=川崎徳一の夫人。川崎聖一の母。古朝鮮の祭祀一族の末裔
川崎聖一=川崎徳一の息子であり、川崎姉妹の父。徳一の死後、失踪
川崎篤子=川崎聖一の妻。川崎姉妹の母。廃宮家の末裔
上島上等兵=滝川、川崎の終戦時の上官。長田の父親

m16a2_1.jpg

オレたちの目にした光景は戦争そのものだった。

数人の警官が大量の血を流し、地面に転がっている。

ぴくりとも動かない。

広場中央の建物は銃弾痕でボロボロになっていた。

大量の銃弾が打ち込まれたに違いない。

そこに入り込んで難を避けようとした警官たちは…多分、あまり優雅な状態ではあるまい。

マリーを先頭にしたオレたちは、膝まづいて惨状を眺めていた。

「これは…すごいな」

ケンスケがポツリと呟いた。

「火力差がありすぎる。波動はライフル、警察は短銃だ。勝負にならない。これは戦争でなく、ジェノサイドだ」

「建物中が…」

「ああ。カラシニコフの破壊力はM16以上だ。もし誰かが生きていたら奇跡だな」

和田由美子の言葉に反応したマリーの答えに、全員黙るしかなかった。

迂回しよう、とマリーが促した。

オレたちは重い足を引き摺り始めた。







カサカサという落ち葉を踏みしめる音が長田の耳を刺激した。

音の方向へ目をそらす。

何人かが歩いてくる音だ。

長田は露岩の陰に身を潜めた。

姿勢を低くし、音の方向を凝視しつづける。

先頭に男。

その次は…ケンスケ!

長田は一瞬、心臓を掴まれたような気がした。

刹那、破壊への衝動欲が全体を満たし、酷薄な喜悦が沸騰し始めた。

ヤツだ。

ヤツが現れた。

オレを虚仮にし、掌を砕いた張本人だ。

さあ、来い、ケンスケとやら。

一寸刻み、五分刻みでナマスにしてやる。

ライフルの銃弾で体重を倍にしてやる。

関節という関節を、すべて打ち砕いてやる。

とどめはささない。

苦しんで苦しんで、苦痛と失血のなかでオマエは死ぬんだ…。

長田はライフルのロックをリリースした。



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