鼠の目#451(ほぼ全文はリンクで)

鼠の目・これまでの梗概

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先ほどの射撃で、自分には照準をあわせたアキュラシーな射撃はできない、と長田は思っていた。

フルオートまではいかないが、連射モードでぶち込むことにする。

ゆっくり、しかし確実にセレクターレバーをセミオートに切り替えた。

露岩の陰にさらに身体を密着させ、ケンスケらの歩みを凝視した。

順番は相変わらず、先頭がマリー、続いてケンスケだ。

どれくらいの距離で撃つものか、長田にはわからない。

わからないがそのことをカバーしてくれるのが、ライフルのライフルたる所以だろう。

このあたりか、と見当をつけ、長田は露岩から飛び出した。

「ケンスケ、やっと会えたな、うれしいぜ」

長田は仁王立ちのまま立ちはだかった。

砕かれた掌で銃身を支え、右手でしかっり引き金部分をホールドしている。

オレたち四人は、ギョッとして立ち竦んだ。

不意な事態は、だれでも慌てふためく。

いくら自衛隊あがりのマリーや、外人部隊脱走兵のケンスケでも、だ。

「長田、か。やはりここにいたのか」

ケンスケの冷たい言葉が投げかけられた。

「いたんだよ。おかげでな。必ずオマエもここに現れる、と踏んでな」

「結構な得物を持参しているんだな」

「うるせえ。それがどうした。オマエを殺せればなんでもいいんだよ。オレを舐めるやつは赦さねぇ」

「ほう、オレを殺すってのか。そいつはちょっと難しいぜ」

「黙れ、クソ野郎!そのためのカラシニコフだ」

「ああ。わかっている。そいつはいいライフルだ。堅牢で扱いやすい。ただ素人が簡単に触るもんじゃない」

「おい、ケンスケ。今の状況はわかっているな。このライフルはセミオートだ。そしてオマエは丸腰だ。わかってるな」

長田の声には嘲笑が込められていた。